ホラー小説を書いてみて

タイトル 

「怨呪(おんじゅ)の集団」

 

寒い12月の夜更け。突然、家中に不愉快な音が聞こえてきた。

その音に抵抗するかのように、私は布団の中に、スマホを持ち込んで、自分の好きな曲を聴きながら眠ることにした。そんな日が毎日、続いた。

ある日、音だけでは済まなかった。酷い痛みが、頭と身体を襲う。身体は被曝したように熱く、水をがぶ飲みした。下の部屋からは、火花が散るような「バチッ、バチッー」って音。頭と身体の痛み。身体に溜まった熱に悩まされる日々が続いた。配線の走ってない場所を探し、2週間ほど押し入れの中で暮らした。

頭の中が騒々しい。明晰な日々を愛しく感じた。

上着を羽織りベランダに出た。星空を眺めていたら、「ベランダから飛び降りろ。死ね。」って声を聞いた。その声に私は、苦しいから死んでしまおうかと考えた。痛いから死んでしまいたいとも思った。だけど死ねなかった。

冬の太陽の光が降り注ぐ休日。私は、不動産屋に相談しに行くことにした。受付の女性は「部屋替えならできますよ」私は、駐車場に空きがないことが条件だと伝え、リストアップしてもらった。内覧し、決定するまでの時間差は、できる限り短いほうがよい。部屋が決まり、大手の引越屋に依頼した。見積りでやって来た営業マンは、私のスマホを眺めて不思議そうな顔をしている。ひとり暮らしの引越しに、13人の作業員でスピーディーな引越し。明るい兆しも見えたが…それで、終わりやしなかった。

パソコンでミュージックビデオを流し、食べ終わった朝食の食器を洗っていた。突然、パソコンから「どうしよう?どうしよう?どうしよう?」と鳴り響く。私は、慌ててバッテリーを抜いて止めた。

やがて、以前に届いたメールが再び届くようになった。そして、母と電話で話している最中に突然、職場の上司の電話に回線が切り替わってしまうような不可解なことが、起きるようになった。

雨降りのとても寒い日。彼氏と食事するお店に向かう。駅の通路をおしゃべりしながら、並んで歩く。楽しいはずなのに…嫌な声が聞こえてくる。

「その傘で殺せ」と私に命令する。私はその声を無視した。

通勤電車は、しょっちゅう止まる。非常停止ボタン。落し物。人身事故や急病人。踏み切りへの立ち入り。車輌故障。不可解な火災も…。

あちこちの会社に怨呪集団が入り込む。ターゲットを中心に嫌がらせが始まる。姿を見せず、24時間365日ストーキングするものもいる。

ストーキングするものは、あらゆる配線や波動に入り込み、情報を収集してる。狂った咳払いで注意を引きつけ、心理的恐喝をするのだ。

犯罪などの事件。経済的破綻。ゴシップ。村八分。失業や離婚。従業員が全員、辞めてしまう。

怨呪の集団は、働く人や夢を生きる人を憎み、怨み、妬む。24時間365日張り付いて、頭と身体に痛みや痒みを加え、コントロールするための思考を送り続けている。

 

部屋の外では、怨呪集団が嘲笑いを浮かべ煙を吐いている。

今も部屋の蛍光灯がギラギラしている…。

🔚

 

…初めて書いたホラー小説。難しいなぁ。怖くなるだろうか?それとも笑ってしまうだろうか?

ホラーは苦手。やっぱり面白いのが好き。でも、世の中は、ホラーかもしれない。なんて、感じた。自分自身を知ること。自分自身を生きること。が重要だ。心の自由と愛。死ぬまで、私の課題である。

 

 

 

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